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豊前国の式内社と宇佐神宮行幸会八社を巡る3 ~大根川神社、稲積六神社 [ツーリング]



 大富神社から国道10号線を西進し、中津市街からの国道213号線との合流地点、佐野交差点を過ぎてすぐの南側に宇佐神宮行幸会八社の一社、大根川神社が鎮座している。

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 国道10号線沿いに大根川神社への境内入口の鳥居が建つ。鳥居前は幅広の国道であるが、参道に入ると周囲は田園地帯である。9:45頃に到着。

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 参道の鳥居。額束に八幡宮と刻まれている。また鳥居の脇に矢立宮と書かれた木碑がある。放生会の神鏡奉上では「鉾」を「依り代」にして神を迎えるという。そこから大根川神社を「鉾立神社」とも呼ぶそうであるが、その鉾が矢に変わったのであろうか。

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 大根川神社拝殿。拝殿前も舗装されている。

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 拝殿の背後には幣帛殿。

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 大根川神社本殿、南東を向いて建つ。彩色が施された流造り。周囲には小石祠が並んでいる。境内に由緒書がないため詳細はよくわからない。行幸会が8世紀中頃に始まったというので、創建はそれ以前である。大禰河社とも称された。祭神は応神天皇単独であろうか。

 次に向かうのは稲積六神社。原始八幡信仰と関わりを持つ神社である。国道10号線を東へ、県道44号線を南下していくと円錐型の秀麗な山が見えてくる。

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 県道44号線から稲積山を望む。宇佐富士と称されているらしい。

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 稲積六神社の境内入口の鳥居。右側には伊呂波川が流れている。周囲の道は細い。県道44号線を走っていても稲積六神社が見つけられなくて、少し迷ってしまう。県道44号線を南下している時に、どこかのタイミングで伊呂波川を挟んで通っている県道660号線へ移動し、川沿いを南下したほうがわかりやすそうだ。

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 朽ちた鳥居扁額に稲積山権現と刻まれている。

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 稲積六神社の境内。鄙びた村の鎮守様の感じ。

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 稲積六神社の拝殿。麦わら帽子が忘れてあって、なんとなく気持ちがほっこりした。

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 境内奥の小石祠群。

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 稲積六神社の本殿は覆屋に格納されている。
 稲積六神社は渡来氏族辛嶋氏創建との説がある。本日最初に訪れた香春岳から移動してきた辛嶋氏が在地豪族宇佐氏の勢力圏へ到達する。その宇佐氏の御許山の磐座信仰と渡来人の神が習合した神こそ八幡大神であるという。
 また境内由緒書によれば、慶雲3年(706)稲積山上に伊弉册尊、速玉男命、事解男命の三神が祀られ、承和7年(840)国常立命、火産霊命、彦火々出見命の三神が更に祀られたという。稲積六神社の六はこの六神から来て「いなづみろくしんのやしろ」なのであろうか。あるいは神宮寺六坊が稲積山麓に点在していたといい、その六であろうか。あるいは東西南北天地を表す「六」であろうか。



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